遺言書は「自筆証書遺言」、「秘密証書遺言」、「公正証書遺言」と大きく分けて3種類あります。
遺言とは被相続人(亡くなられた方)が生前に自分の財産がどのように配偶者・子などに配分するかの意志を示すものです。相続のトラブルの大半が遺産分割協議であり、遺言を残すことだけで相続トラブルを未然に防げるケースは多々あります。
相続や遺言なんて生前に決めるなんて不謹慎だと思われる方もいらっしゃるでしょう。しかしながら遺言を残してトラブルの火種を残さないことが家族に対する思いやりとなります。近年ではエンディングノートの作成なども行う人が増えておりそのタイミングで作成してしまうことも一つの手です。
遺言書の方式
遺言書の方式はまず大きく分けて「普通方式」と「特別方式」の2つがあります。
遺言書の特別方式とは、「危急時遺言」と「隔絶地遺言」の2つです。これらは伝染病で隔離されている場所や遭難した船の中・墜落する飛行機の中で死が差し迫っている際に緊急的に書く遺言書です。
多くの人が想像する元気なうちに書く遺言ではありません。多くの人が思い浮かべる遺言を普通方式の遺言と言います。先ほど説明した3つの「自筆証書遺言」、「公正証書遺言」、「秘密証書遺言」が「普通方式」に該当します。
普通方式の遺言を大田区城南相続センターで作成をサポートしております。原則全て自分で作成するのが自筆証書遺言です。
自筆証書遺言
自筆証書遺言は自分で遺言書を作成する遺言です。紙とペンがあれば誰でもでき気軽に作ることができます。遺言書の全文、日付、氏名を記載し押印する必要があります。
以前は全て自筆でおこなう必要がありました。2019年の民法改正により財産目録のみPCなどでの作成が可能となり多少規制緩和されました。公正証書遺言のほうが確実です。
公正証書遺言
公正証書遺言は名前の通り公証役場にて公証人に遺言内容を口述し公証人が作成する遺言書となります。
作成された文章は公文書のため作成のミスが起こらない上、公証役場に原本が保管されるため紛失の危険性がありません。
作成に手数料がかかりますが、これは遺言に記載される財産の額によって異なります。詳しくはお住いの公証役場のホームページをご覧ください。
秘密証書遺言
秘密証書遺言は公正証書遺言と自筆証書遺言を足して2で割ったようなものです。秘密証書遺言とは遺言者がどうしても秘密を知られたくない時に使われる方式です。
遺言の内容を秘密にしたまま公証人に遺言の存在を証明してもらうことができます。公証役場で作られますが公正証書遺言とは異なり公証人も中身を確認できないため遺言の要件を満たしていないと無効になる恐れがあります。
その上自宅で保管する必要があるため紛失するリスクもあります。実際に使っている人は少ないのが現状です。
遺言書の保管
遺言書は見つからないと困りますが目につきすぎても困るものです。そのため遺言書をどこに保管するかも非常に重要となります。多くの人は自宅の金庫やタンス仏壇の引き出しの奥などにしまっているようです。
しかしあまりにも奥のほうに隠しすぎてしまうと遺言は被相続人が亡くなった後に効力を発揮するものであり、既に亡くなってしまっているため残された相続人はどこにあるかを聞くことができません。
生前に遺言の場所を教えてしまうと勝手に開封をされてしまったり遺言の内容を知られたことで相続人同士でトラブルに発展する可能性もあります。
銀行の貸金庫が安心と思って置いておくと大変厄介なことになります。銀行の貸金庫は相続人全員が揃って解約の依頼をしない限り開けることができないからです。このようなことを考えると自筆証書遺言を関することも大きなリスクとなります。
公正証書遺言は公証人の手数料がかかってしまいますが、原本は公証役場が保管してくれるため紛失の恐れがありません。さらに遺言書があるかどうかも検索システムで即時に把握することができます。
遺言書を作成しないと…?
- 自分は健康だしまだ遺言を残すような歳でもない
- 遺言書を残すと家族が信頼してないと思うのではないか
- 遺言は特殊な家庭環境のみに起こるものでうちには関係ない
- 遺言を書いてしまうと取り消す財産を自由に使えなくなるのではないか
- 遺言をしてもその通りに実行されるかわからない
このようなことによって遺言を書くことを控えたいと思っている人も多いかもしれません。
もしあなたが本当に自分の財産を望み通りにしたいのであれば遺言は必須です。相続人任せや相続の法律任せではお金が絡む以上相続人同士でのトラブルになる可能性が高いです。
相続人のことを考えるのであれば、元気なうちに遺言を残しておきましょう。
遺言書の作成は大田区城南相続センターへ
遺言書は亡くなった方の最後の意思を表す大切な書類です。
自筆証書遺言は手軽にかける一方、要件がありそれを満たしていないと無効となってしまいます。
また遺言書を勝手に開け無効になってしまうこともあります。
そのため意思を尊重する意味でも遺言の作成は慎重に行う必要があるのです。大田区城南相続センターでは自筆証書遺言作成のサポートや公正証書遺言作成のサポートも行なっております。不動産の名義変更や相続放棄の手続きなども承っております。
相続に関するご相談がございましたら、ぜひ私達に一度ご相談ください。